2021年1月4日に顎変形症手術を受け、現在もその経験を振り返りながら日常を過ごしています。
このブログでは、手術の詳細や術後の苦しみ、そしてその後の回復プロセスをリアルにお伝えし、これから手術を考えている方や同じ悩みを持つ方の参考になればと思っています。
今回の記事は入院中に書きなぐった以下の記事の内容をきれいにまとめたものになります。
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顎変形症手術後16時間の地獄:上顎+下顎切り・オトガイ形成術
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私が受けた顎変形症手術の概要
私は、日常的に顎変形症や顎関節症の影響を受け、これまで様々な不調と向き合ってきました。
例えば、睡眠時無呼吸症候群や歯並びの悪さからくる口元のコンプレックスなど、顎の問題が生活全体に及ぼす影響を実感していました。
何度も矯正歯科や病院を訪ねましたが、どこも改善には至らず、「治療は難しい」と言われる日々が続きました。
そんな中、顎変形症手術で有名な横浜労災病院の医師との出会いがきっかけで、ようやく治療の道が開け、顎変形症手術を受けることを決断しました。
手術の概要(顎変形症手術の種類、目的)
私が受けた手術は以下のようなものです。
- 上顎切開:上顎の骨を切り、適切な位置に調整する手術。
- 下顎切開:後退していた下顎を前方に移動させる手術。
- オトガイ形成:顎先の形状を整える手術。
- 顎関節洗浄:顎関節の炎症や動きの悪さを改善する処置。
この手術の目的は、見た目を整えるだけではなく、機能的な改善を目指すものです。
呼吸がしやすくなること、噛み合わせが改善されること、そして口元の突出が引き締まることで日常生活がより快適になることが期待されました。
手術後の体験を共有する目的
顎変形症手術は、見た目や機能を改善するための効果的な治療法ですが、術後のつらさや苦労が想像以上でした。
実際に手術を受ける前、私自身も情報収集をしましたが、術後の具体的な辛さや回復の過程についての情報は少なく、不安を抱えたまま手術に臨むことになりました。
この記事では、私が体験したリアルな術後の苦しみや、そこからの回復プロセス、少しでも辛さを軽減するためのアドバイスを共有したいと思います。
同じような手術を控えている方にとって、少しでも参考になり、心の準備ができる手助けになれば嬉しいです。
手術後の最大の試練:地獄の16時間
顎変形症手術が終わり、目が覚めた瞬間から、私を待ち受けていたのは想像を絶する苦しみでした。
体全体が自分のものではないように感じ、まるで拷問器具に閉じ込められたような体感でした。
精神的にも追い詰められ、後悔と絶望で心が壊れそうになった時間を振り返ります。
手術直後の状態
手術が終わった後、目覚めた私はすぐに体の異変を感じました。
口の中や鼻、腕、全身に管がつながれている状態で、動くことも話すことも自由にできませんでした。
- 鼻には経鼻チューブが挿入され、呼吸は完全に口に頼るしかない状態。
- ドレーンチューブが口の中に挿入され、血液を排出している。
- 尿管の不快感が常にあり、トイレに行きたい感覚が消えない。
- 点滴の管が数か所刺さっていて、動くたびに体が引っ張られるような感じ。
さらに、喉の乾きがひどく、水を飲むことも許されない状況が続きました。
看護師さんに湿った綿棒で口内を潤してもらいましたが、ほとんど効果はなく、口がカラカラに渇いたままです。
拷問のような体感
術後すぐは痛みよりも「苦しさ」が圧倒的でした。
- 喉の乾き:唾を飲み込めないため、喉の奥が張り付くような感覚。
- 鼻呼吸の不可能:鼻にチューブが入っているため、呼吸は口だけ。それも喉が乾燥しているので非常にしにくい。
- 全身の管による不快感:7本もの管につながれているため、動くたびに体が引っ張られ、異物感で精神的にも消耗。
特に鼻呼吸ができないことが苦しみを増幅させました。酸素不足のような感覚がずっと続き、少しでも気を抜くと窒息するのではないかと不安になりました。
精神的な崩壊と後悔
術後の苦しみに加え、精神的なダメージも大きかったです。
- 「いっそ殺してほしい」と思うほどの苦しみ。
- ゴボ口でなければこの手術を受けなくてもよかったのに、と自分の体を恨む気持ち。
- 時間の流れが遅すぎて、絶望感が押し寄せる。
時計を見つめながら、「あとどれくらい我慢すればこの苦しみが終わるのだろう」とひたすら考えていました。
顎変形症手術後に私を襲った苦しみ17個
術後16時間の間に私が経験した苦しみをリストアップします。
これらが同時に襲ってくることで、拷問のような体感になりました。
- 喉の乾き
- 水分補給ができない絶望感
- 唾を飲み込めない苦しさ
- 鼻呼吸ができず、口呼吸も難しい
- 血の塊が喉奥に詰まるような違和感
- 全身につながれた管による異物感
- 尿管による常に感じる不快感
- 声を出せない不自由さ
- 全身の疲れと倦怠感
- 意味もなく出る涙
- 頭の重さと頭痛
- 寝返りを打てない苦しさ
- 顎全体の炎症と痺れ
- 顎関節の痛み
- 寒気と熱が交互に襲う体調不良
- 空腹感
- 腰痛の悪化
私に襲った苦しみの詳細
- 喉の乾きと水分補給の制限
術後16時間は水を飲むことが許されず、口の中が乾燥しきっていました。湿った綿棒では喉の渇きを和らげることはできず、渇きへの耐えがたい苦しみが続きました。 - 鼻呼吸の困難
鼻に挿入された経鼻チューブにより鼻呼吸は完全に不可能に。口呼吸だけでは十分に酸素を吸えず、息苦しさが常にありました。 - 全身の管による不快感
点滴、ドレーンチューブ、尿管など、全身につながれた管が異物感を引き起こし、動くたびに引っ張られるような不快さがありました。 - 精神的な崩壊
苦しみが続く中で、現実から逃れたいという思いが強くなり、楽しいことを考える余裕がなくなりました。「これがずっと続くなら生きていけない」と思うほどの絶望感が押し寄せました。
苦しみの16時間をどう耐え抜いたのか、その具体的な経過をお話しします。
術後16時間のタイムライン
術後の16時間は、人生で最も苦しく、長く感じた時間でした。
その間の流れを、時間ごとに記録して振り返ります。これから手術を受ける方の参考になれば幸いです。
PM16:30 手術後の目覚め:水が飲めない絶望感
手術が終わり、麻酔から覚めた瞬間、喉の乾きが一気に襲いました。
「水が欲しい…」と声にならない声で看護師に訴えたところ、「水は明日の8時半まで飲めない」との返答。
16時間以上の水分補給禁止という現実に、絶望が押し寄せました。
- 喉の乾き
喉がカラカラで、湿った綿棒で口内を拭っても乾燥感は解消されず。 - ICUでの不快感
点滴やドレーン、経鼻チューブなど、全身に7本の管がつながれた状態で、異物感と窮屈さが強く感じられました。 - 初めての尿管
常にトイレに行きたい感覚があり、不快さで気持ちが悪かったです。
目が覚めた瞬間から始まった苦しみは、息をすることさえ困難に思えるほどでした。
PM18:00 精神的に崩壊する時間:時計を見つめる絶望
手術後の慌ただしさが収まり、落ち着いたのが18時ごろ。
静けさの中、次の痛み止めが打てる21時までの時間が果てしなく感じられ、時計の針が進むのをただ見つめることしかできませんでした。
- 絶望感の蓄積
時間の流れが遅すぎて、「まだ5分しか進んでいないの?」という絶望感に精神が崩壊しそうでした。 - 看護師の対応
担当の看護師がスパルタ系で、「できるだけ自分でやってください」という方針。優しい言葉を期待していた分、その冷たさに追い詰められるような気分に。
この時間が一番長く感じられ、「なんでこんな苦しい手術を受けてしまったのだろう」という後悔ばかりが頭をよぎりました。
PM00:00 看護師交代で癒やしを得る:優しい励ましの救い
日付が変わると、担当の看護師が交代。
次の看護師は、優しい口調と励ましの言葉で接してくれる方でした。
この看護師さんのおかげで、精神的な辛さが大幅に軽減されました。
- 安心感を得る
「朝になれば鼻のチューブが抜けて楽になりますよ」という励ましに、「あと少しの辛抱だ」と思えるように。 - 15分間隔の睡眠
完全に眠ることはできませんでしたが、15分ごとに浅い眠りにつけるようになり、少しずつ体力を取り戻しました。
看護師さんの優しさが、苦しみを乗り越える大きな支えとなりました。
AM08:30 水が飲めた瞬間:チューブが抜けることで得た解放感
夜明けを迎え、ようやくお医者さんが現れました。
スポイトで一滴の水を飲むよう指示され、その小さな動作が信じられないほど大変でしたが、無事に飲み込むことができました。
- 鼻のチューブが抜ける瞬間
胃まで通っていた経鼻チューブが抜かれると、体中の力が抜け、一気に解放感が訪れました。 - 深い眠り
チューブが抜けたことで、30分ほどの深い眠りにつくことができ、術後初めて心から楽になれる瞬間を迎えました。
その後、病室へ戻るための準備が進み、「やっと地獄の16時間が終わった」と感じられるようになりました。
しかし、時間が経つにつれて少しずつ楽になり、看護師や医師のサポートが大きな救いとなりました。
この経験を通じて、手術後の苦しみがいずれ終わることを信じ、気を強く持つことが大切だと感じました。
顎変形症手術後の回復プロセス
手術後の苦しみは想像以上でしたが、時間が経つにつれて少しずつ体の回復を実感できるようになりました。
術後2日目から徐々に改善を感じ始め、4日目には希望を持てるように。
私の回復プロセスを具体的にお伝えします。
術後2日目以降の改善と希望
術後2日目の朝、鼻のチューブと尿管が外されたことで、身体的な負担が大幅に軽減されました。
- 鼻のチューブが外れた解放感
鼻の奥から胃まで挿入されていた経鼻チューブが抜かれると、顔全体が軽くなったように感じました。鼻呼吸はまだ完全にはできませんでしたが、口呼吸が格段に楽になりました。 - 尿管が外れたことで動きやすくなる
尿管の不快感が消え、トイレに行くことができるようになったことで、「普通の生活に近づいている」という安心感が生まれました。
この時点では、まだ喉の乾きや顎の痺れがありましたが、徐々に回復する体を感じて前向きな気持ちを持てるようになりました。
術後4日目から感じた回復の兆し
術後4日目に入ると、顕著な回復の兆しを感じるようになりました。
- 鼻呼吸が可能に
鼻の腫れが少し引いたことで、少しずつ鼻呼吸ができるようになりました。これにより、口呼吸の負担が軽減され、喉の乾燥が和らぎました。 - 食事が流動食から5分粥に
経口で摂取する食事が増え、体力が徐々に回復していくのを実感しました。食事が楽しみになることで、気持ちも明るくなりました。 - 口角が自然と上がる
手術の影響で、今まで閉じづらかった口が自然と閉じるようになり、口角が少し上がっているのを鏡で見て実感しました。「術前にはできなかったことができるようになっている」と思うと、手術の効果を強く感じました。
手術の成果:呼吸の改善、口角の自然な形
手術の結果、以下のような明確な変化を感じました。
- 呼吸の改善
- 今まで鼻が詰まりやすく、夜中に無呼吸状態になることが多かったのが、手術後は解消されました。
- 睡眠の質が向上し、朝起きた時にスッキリとした感覚を得られるようになりました。
- 口元の変化
- ゴボ口だった頃は、唇を閉じるだけで不自然な力が必要でしたが、手術後は自然に閉じられるように。
- 口角が上がり、笑顔が引き締まった印象に変わりました。
- 全体的なバランスの改善
- 顔全体のプロポーションが整い、鏡を見るたびに「手術を受けてよかった」と思えるように。
手術直後の苦しみを乗り越えるのは決して簡単ではありませんが、その先には確かな成果と希望が待っていることを信じて、前向きに過ごすことが大切だと思います。
術後の苦しみを軽減するためのアドバイス
顎変形症手術後の苦しみは想像以上でしたが、事前の準備や心構え次第でその辛さを軽減することが可能です。
ここでは、術前・術後に役立つ具体的なアドバイスをお伝えします。
術前に知っておきたいこと
術後の苦しみを少しでも軽減するためには、事前の準備がとても重要です。
以下のポイントを押さえておきましょう。
術前にしっかり水分補給をする
- 手術の2時間前まで水分補給が許可されています。この時点で十分な水を飲んでおくことが術後の喉の乾きを軽減するカギです。
- おすすめ:最低でも500mlは飲むようにしましょう。手術中の脱水を防ぐためにも、できるだけ直前に水分を摂ることを心掛けてください。
ICUに持ち込めるものを確認(テレビカードなど)
- ICUではスマホなどの持ち込みが禁止されるため、術後の時間をどう過ごすかを事前に考えておくことが大切です。
- おすすめ:テレビカードを購入しておくと、術後の暇つぶしや気分転換になります。消灯時間(21:30)まで使えるので、精神的な安定に役立ちます。
精神を保つためのメンタルケア
- 術後の苦しみを軽減するためには、事前に「術後は辛いのが普通」と覚悟しておくことも大切です。
- アプローチ:
- 手術後の目標を考える(「呼吸が楽になる」「見た目が整う」など)
- 自分へのご褒美を用意しておく(「退院後に好きなものを食べる」など)
術後に役立つアドバイス
手術後は想像以上に辛いですが、以下のアドバイスを意識することで少しでも楽に過ごせます。
自分の体を信じて励ます
- 術後の体は辛い状態にありますが、それでも回復しようと頑張っています。
- 実践例:
- 「自分の体は乗り越えられる」と言い聞かせる。
- 小さな進歩を喜ぶ(「今日は昨日より鼻呼吸が少し楽になった」など)。
看護師や医師に気軽に相談する
- 術後は看護師や医師に自分の状態を正直に伝えることが重要です。
- お願いしたいこと:
- 痛み止めのタイミングを確認して調整してもらう。
- 精神的に辛い時は、優しい声掛けや話を求める。
アドバイスまとめ
術前の準備や心構え、術後の行動次第で、手術後の辛さを軽減することができます。手術を控えている方は、以下をチェックリストとして活用してください。
術前の準備
- 水分を十分に摂取する
- ICUに持ち込める物を確認(テレビカードや耳栓など)
- 術後の回復を信じるための目標を設定
術後の対応
- 自分の体を信じて励ます
- 看護師や医師にこまめに相談する
このアドバイスが、少しでもあなたの手助けになりますように!
経験を振り返って
顎変形症手術を受ける決断から、術後の壮絶な体験、そして回復への道のり。
今振り返ると、あの時の苦しみがあるからこそ、現在の自分があると感じています。
このセクションでは、手術を通して感じた思いや、未来の患者さんへのエールをお伝えします。
顎変形症手術を受けたことへの思い
手術を受ける前、私は大きな期待と少しの不安を抱えていました。
手術後の結果に対する希望と、術後の苦しみへの恐怖。
そのどちらも現実となりました。
- 当時の後悔
術後の痛みや辛さがあまりに想像を超えていたため、一時は「こんな手術を受けるんじゃなかった」と後悔しました。喉の乾きや体中の管による不快感で、「元の自分でもよかったのかも」と何度も思い返しました。 - 現在のポジティブな気持ち
しかし、時間が経ち、鏡を見るたびに「この手術を受けてよかった」と思えるようになりました。自然に閉じられる口元、改善された呼吸、そして自信を持てるようになった顔のバランス。辛い経験を乗り越えた先に、手術の成果が待っていました。
苦しみを乗り越えたことによる達成感
術後の16時間は人生で最も苦しい時間でしたが、それを乗り越えたことは、私にとって大きな自信と達成感をもたらしました。
- 身体的な変化の喜び
- 呼吸がしやすくなったことで、睡眠の質が向上し、日中の活動も楽に。
- 顔のバランスが整い、鏡を見るたびに笑顔が増えました。
- 精神的な成長
あの苦しさを経験したことで、「私には困難を乗り越える力がある」と思えるようになりました。日々の小さな問題が、以前ほど大きく感じなくなったのも手術の恩恵です。
未来の患者さんへのエール
これから顎変形症手術を受けようとしている方に伝えたいことがあります。
術後の辛さは確かにありますが、それを乗り越えた先には、より快適で自信を持てる自分が待っています。
- 手術を乗り越えるために
- 術前にしっかり準備をして、不安を軽減してください。
- 辛い時は「今だけの苦しみ」と思い、未来の自分をイメージしてみてください。
- あなたの選択を信じて
手術は大きな決断ですが、その選択があなたの人生を良い方向に導くはずです。たとえ辛い瞬間があっても、それを乗り越えられる力があなたにはあります。
この経験が、少しでもこれから手術を受ける方の助けや励みになれば嬉しいです。
一緒に新しい一歩を踏み出しましょう!